都会人もうらやむ『地方のレストラン』

食において


『都会』にあって『地方』にないもの


それは


芸術にまで昇華したレベルの『食』に
相応の代償を ‘心から喜んで’ 支払い
楽しみ感謝する人々が、圧倒的に少ないこと。
(これは、無農薬野菜にもあてはまる悲しいことです)


ですから、
地方で、芸術的な食を提供するレストランを黒字化するのは難しく
ミュシュランの星付きレベルの
レストランが少ないのだと思います。



ワインがお好きな方から
えりちゃん!!
こんな贅沢しているの〜!!!って
声が聞こえてきそうな写真を 巻頭にしたのは
ワインは、銘柄で、唾を飲むような表現ができるけれど、
料理の素晴らしさを、写真で表現することが難しく、、
しいていうならば
このワイン達と同じレベルの『芸術的料理』だったことを伝えたかったのです。


昨夜は、
素晴らしい一夜を過ごさせていただきました。



DRCは、金魚鉢グラスが最大の美しい香りを楽しませてくれます。


ワイン好きな方々にとって、イヤミのような
うらやましいリストだと思います。
そうです。
感じ合える四人で、神の水をいただきました。


ドン・ペリ二ヨン・ロゼ 1996
ボノー・デュ・マルトレイ コルトン・シャルルマーニュ 1990
ピエール・コランバタ−ル・モンラッシェ 1996
DRCリシュブール 2000
シャトー・ラトゥール 1995
シャトー・ムートン・ロートシルト 1996
カシスリキュール
石田屋
磯自慢 純米大吟醸 中取り35
超特級 安鶏鉄観音


数年前の私が、このブログ日記をみたら
うらやましくて、えりちゃんって人、イヤミなやつ!
って、思ったでしょう。

しかし
私自身、決して『贅沢』をした感じではなく


地方の『食文化』を真剣に考え
『食』以外の贅沢をせずに
『芸術的食文化』に投資してきた仲間で
感じ合うひとときにふさわしい
『神の水』をいただいたという気持ちで


いままでで
一番、幸福なワインのいただき方でした。

地位も、名誉も、権力も、栄光もなく
ただ深く、感じ合える喜びが、そこにはありました

いま、振り返ると
私が、デザインに関わらせていただいた
多くの高級レストランや料理屋は
私自身がそうであったように
お客が、地位、名誉、権力、経済力を
ひけかすと心地よさを感じるようにデザインしていました。
繁盛店とは、心地よく『お金を落としたくなる空気』を
つくることが大切だからです。


いまの私は、もう、そんなことどうでも良くなってしまい
そのようなデザインは、できなくなっています。
だから、その当時仲良くしてくださっていた方々のほとんどは
私から離れられていかれるので
寂しさを感じていました。


しかし、いま、
私の感性を支持してくださる、本当にわずかな方々に
守られて、生かされています。


多くの権力者の知人がいることを
誇りに思っていた時代を振り返ると
自分が恥ずかしくなります。。


いまは、
たった一人でいい
どんなことがあっても
一生、信頼しあえる人がいることが幸せなことだと
心から思えるようになり、強くなれました。


だからこそ、昨夜は
涙がでるほど、幸せな時間でした。


最後の〆は
棚橋先生セレクトの鉄観音
ワインと同じレベルの高貴な香りの神技的お茶です。



そう、このような
都会人もうらやむ『地方レストラン』が
大分に、在ります。
地産地消、料理技術も、ワインも一流です。


もし、東京に、この店があったら
こうのような進化は、しなかったでしょう。
オープンして十数年
独自の突抜感と、安定感を作り上げられています。


地元の生産者さんが、愛情をもって育てられた食材を
繊細に透明感ある美しい料理に仕上げられているのです。


その素晴らしいレストランをご紹介する
本のディレクションをさせていただくことになったことを
心より感謝申し上げます。


ありがとう
そして
合掌


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このレストランのオーナーの生き様は
私の人間形成の一部ともなった感動的な映画
めぐり逢う朝』がおもいだされます。
確執と芸術家としてのあり方の違いを描く。
「世界すべての朝(は二度と戻ってこない)」という深い意味を込めた原作は、公開のひと月前に発売され絶賛され、映画は91年年末に公開されるや、210万人を動員。ルイ・デリュック賞に続いてセザール賞も6部門独占受賞。
あっという間に、DVDも完売し絶版。中古もプレミア価格となり容易に鑑賞できない映画になっていたですが、、つい数日前!リマスターのDVDが発売されたのでご紹介します。

めぐり逢う朝  HDニューマスター版 [DVD]

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