重ね煮


「重ね煮」という料理法を考案したのは、長崎に住む食養料理家の故小川法慶先生(1910-1994年)です。小川先生は東洋の思想、陰陽調和(※)の考えを生活に反映させ、正しい料理法、正しい食事法の普及と実践に尽力されました。「料理は自然界と私たちの命をつないでいるもの。だからこそ自然に対して畏敬の念と感謝の心で接し、愛情をもって料理をすることが大切である。そのことを心がけ実践したときに、人は幸福感に満たされ、健康も得られる」と考え、この考えに基づいて重ね煮の調理法が生み出されたのです。いまから50年ほど前、小川先生とご縁のあった方々にその調理法は伝えられました。戸練ミナさんのご両親、そして叔父様の船越康弘さんもそのおひとりです。戸練さんは、小さいころから重ね煮を食べて育ちました。

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