音の記憶『真空管アンプのカーオーディオ』


十数年棲み続けたアパルトマンを離れることに決めました。
その部屋のあるじが、精神病になった時から
まるで、博士の実験室のようになってしまっていた。


本と音楽、インテリアの素材見本、ひび割れた骨董などで、
床から天井まで、埋もれていました。
それらは、デザイナーの想像力をかきたてる大切な宝物でした。


その、膨大なモノを
すこしずつ片付けだして三日目。


真空管アンプのカーオーディオ
と再開!

音の記憶が蘇ってきました。
初代ユーノスロードスターvsの寿命を全うするまで
お世話になったオーディオで
初代ロードスターは、シートに、ヘッドレフトスピーカーが搭載され
耳の後ろから音が聞こえ、臨場感がありました。


夜の森まで、オープンカーで走り
誰もいない、星が落ちてきそうな静かな場所で聴く
バッハの無伴奏シャコンヌ響きは
トリップしそうな心地よさを与えてくださり


真空管のカーオーディオは
ヴァイオリンの音色がとてもよく響きました。

http://panasonic.co.jp/ism/tube/html/05.html


私は、ある時からプライベートの整理ができなくなるという
病気になってしまっていたと思います。
生まれて、初めて『生きることが楽になった』と思えるこのごろ。
いつも、何かに飢えていた私。
心の飢えは、お金でも、地位でも、名誉でも、満たしてはくれませんでした。


すべてを捨てたとき
飢えが、満たされるような気がします。


毎日、何かひとつ、捨てよっと♡


バッハは、精神安定剤
シェリングの名演から。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)