オメガ3 ココナッツオイル

「ココナッツオイル」や「オメガ3」
カラダに良いアブラを、食べましょう!


と、大ブーム。


そして、その流れに逆らうように
こんどは「カラダに悪い・危険」
という話題に、、、


漢方薬がそうであるように
「薬」にも「毒」にもなる。


影響力が強いものほど、
相反するものを所有していると思います。


カラダによい食べ物について。
私の判断基準は、日本人の私たちにとっては


「日本で長年愛されてきたものが 一番いい」


何百年とずっと愛されて来たもの。
それがいい。


でも、楽しみとして、
嗜好品として「美味しい♡」なぁと。
ときどき 食べるのは
楽しくて、カラダにも良いと思うの。


カラダの声に、耳を傾けましょ。



◎以下、吉富さんのFB より
 https://www.facebook.com/nobunaga.yoshitomi


【ココナッツオイルの環境ホルモン作用】
ココナッツオイルには性ステロイドホルモンの代謝を阻害する有害因子が含まれます。この有害因子は、性ホルモン代謝で働く5αリダクターゼという還元酵素の働きを阻害します。
男性ホルモンであるテストステロンはコレステロールを原料に作られます。(ちなみに男性ホルモンだからといって男性のみにあるわけではなく、女性にもあるホルモンです。)
このテストステロンは5αリダクターゼによりジヒドロテストステロンというより強力なホルモンに変化し、生殖器の成長などを作用します。
ドミニカ共和国に、成長途中で性別が変わってしまう子どもが膨大な数にのぼったと報告されているサリーナス村という地域があります。ここでは、多くの女の子が思春期になると、生殖器をはじめ男の子に変化してしまうという現象が見られたのでした。コーネル大学のマッギンリー博士による検査の結果、彼らに5αリダクターゼが欠損していることがわかりました。
つまり、5αリダクターゼが働かないことにより、性ホルモン代謝に影響を与えてしまったのです。同時に、彼らには禿げや脱毛症、前立腺肥大のような近代人の男性でみられる特徴がなかったこともわかりました。
これらを背景に、禿げや脱毛症そして前立腺肥大に対抗できる方法は5αリダクターゼを欠損・阻害させることが必要だとわかり、ついにフィナステリドという薬の開発に結びついたのです。禿げや脱毛症そして前立腺肥大に悩む世界中の患者が病院で処方されている薬品にプロペシアがありますが、このフィナステリドが主成分のものです。
2007年に『薬学・薬理学ジャーナル』誌で、マウス実験においてココナッツオイルが5αリダクターゼの還元酵素を阻害することを実証した論文(※1)が発表されました。
実はこの論文が発表される前までには、5αリダクターゼ阻害薬としてフィナステリドのような化学薬品を敬遠する患者のために、代わりにノコギリヤシから抽出した自然派サプリを処方することも一般的でした。なぜなら、ノコギリヤシ抽出液には5αリダクターゼの還元酵素を阻害する成分が含まれていることはすでに知られていたからでした。
しかし、この論文による結果では、なんと今まで主流であったノコギリヤシ抽出液よりもココナッツオイルの方がはるかに高い阻害効果があることがわかりました(ノコギリヤシ抽出液43.8%、ココナッツオイル61.5%)。
実験では、前立腺肥大のラットへの治癒効果を比較したもので、結果ココナッツオイルによる5αリダクターゼへの阻害効果はノコギリヤシ抽出液以上にあることが証明されたのです。
前立腺肥大症は、先進国特有の症状であり、発展途上国先住民族の間ではあまり見られないものです。なぜなら、原因のほとんどが、体内の異常なホルモンバランスだからです。(ジヒドロテストステロンが悪玉という通説があるがデタラメである。ほとんどがエストロゲン優勢が原因。これは乳がんにもいえる)
確かにココナッツオイルは前立腺肥大症のような治療が必要な人には緊急的にはよいかもしれません。しかし、正常な人や子どもたちがココナッツオイルを服用し続けたらどうなるでしょうか。考えられることは、5αリダクターゼへの阻害により環境ホルモン作用が起きてしまうということでしょう。
ちなみに、ノコギリヤシとココナッツは同じヤシの仲間であり、脂肪酸編成も類似しています。
ノコギリヤシのサプリとフィナステリドの効能を比較した研究では、同様の効果(5αリダクターゼへの阻害効果)が見られたことがわかっています。(※2)
フィナステリドにはフィナステリド症候群という専門用語があるようにさまざまな副作用をもたらします。男性の女性化乳房現象、性欲減退、勃起不全、ホルモン異常、うつ、前立腺肥大再発などが報告されています。またフィナステリドの服用をやめても、そのまま副作用が止まらない現象も報告されています。いわゆる後遺症です。※もちろん、服用したすべての人に対してではなく、確率論になるでしょう。
このようなフィナステリドと同等の効果を持つノコギリヤシサプリ、さらにそのノコギリヤシ抽出液よりもはるかに高い環境ホルモン作用をもったココナッツオイル。類似した現象が出てくることは推測できるが、このようなマイナスな面を持った研究は利権構造の中ではされることはほぼないでしょう。仮に発表がされるようなことがあっても時はすでに遅しかもしれません。
少なくとも私は人にお勧めできるような商品ではないと断言できます。
リノール酸優勢の食用油が多い中、ココナッツオイルは確かに植物油の中では比較的安全なものですが、長期摂取を考えると、せめて子どもにはすすめるのは避けた方がいいということになります。
あとはこれを選ぶかどうかはみなさん次第であり、食べ物に対するみなさんの哲学がここで露呈されることでしょう。
※1…J Pharm Pharmacol. 2007 Jul;59(7):995-9.Effects of coconut oil on testosterone-induced prostatic hyperplasia in Sprague-Dawley rats.
※2…Urology. 2001 May;57(5):999-1005.Tissue effects of saw palmetto and finasteride: use of biopsy cores for in situ quantification of prostatic androgens.



【ココナッツオイルと中鎖脂肪酸
低温圧搾されたココナッツオイルには中鎖脂肪酸が多いことから、殺菌作用があるとか、脂肪がつきにくいとか、効率的にケトン体に変換しやすいなど言われています。
こういった喧伝を信じて、今やココナッツオイル信者が増殖していますが、これらの情報は本当でしょうか?
まず、中鎖脂肪酸を知らない人のために、簡単に説明しておきましょう。脂肪酸はその構造における炭素数の数によって分類することがあります。炭素数が2〜6のものを短鎖脂肪酸、8〜10のものを中鎖脂肪酸、12以上のものを長鎖脂肪酸とよんでいます。
ココナッツオイルがアピールされるときに、まずよく喧伝されているのが、中鎖脂肪酸に殺菌作用があるという売り文句です。
しかしながら、短鎖であれ中鎖であれ長鎖であれ、脂肪酸自体に殺菌作用がありますので、特にこだわる必要はないのです。もちろん細かく言えば、殺菌作用に対してそれぞれ特性があります。だからといって中鎖脂肪酸だけを取り上げる意義は特にありません。
次に、中鎖脂肪酸は脂肪がつきにくいと、よく言われています。
これは、長鎖脂肪酸がリンパ管、静脈を通って脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれ、いったん脂肪として貯蔵され、必要に応じてエネルギーとなるのに対し、他方、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は水に溶けやすい性質があるため小腸から門脈を経由して直接肝臓に運ばれ、分解されてエネルギーへと変換されるため、効率がよいといわれています。
しかし、短鎖でも中鎖でもいったん体内で分解された後には、脂肪酸の合成に利用され、長鎖脂肪酸として生まれ変わることができます。中鎖脂肪酸の摂取過多により、エネルギー源として使いきれず、余った場合には長鎖脂肪酸と同様に中性脂肪となります。以上のように、中鎖脂肪酸であれば貯蔵脂肪がつきにくいというのは喧伝しすぎということになります。
また、中鎖脂肪酸はケトン体を効率的に産生できるとも言われています。これも残念ながら、どの脂肪酸もケトン体に変換する産生効率は同じです。
最後に、中鎖脂肪酸アルツハイマー病を改善したということがよく話題になりますが、個人の感想であり、科学的な根拠はありません。唯一、Axonaという中鎖脂肪酸サプリがアルツハイマー病患者に対しての臨床試験として使用されただけです。しかしながら、これは有意な結果は得られませんでした。
以上のように、中鎖脂肪酸に突出した有効性はありません。企業の売り文句につられる方々の行動はいつの時代になっても同じですね。



【オメガ3油で活性酸素除去】
脂質(油)は人間の健康を左右するとても重要な栄養素です。エネルギーとして働く以外に、オメガ3のような必須脂肪酸と呼ばれる油はさまざまな働きがあります。
特に注目されているのが、若返りや老化防止の作用です。
魚油、えごま油、しそ油、亜麻仁油、フラックスオイル、インカインチオイルなどのオメガ3系油は活性酸素を除去します。(魚油の摂取は青魚や鯨、マグロから直接とりましょう。)
オメガ3系の油は酸化しやすいという特性のため、使用するのをためらう人がいます。
しかし、それは空気にいつも触れている状態の中での話であり、酸素分圧の低い体内に入れば酸化することは決してありません。
まず、αリノレン酸やEPA・DHAなどのオメガ3は体内で活性酸素を引き寄せます。活性酸素を引き寄せて出来たラジカル物質は体内のビタミンEと反応して過酸化脂質になります。ここで細胞内外にある酵素により、この過酸化脂質は分解され、安定したアルコールに変えられます。このアルコールは、最後はエネルギーとして使用されます。このように無害化される上、オメガ3は酸化するどころか、むしろ体内の活性酸素を消去し、老化を防止するのです。
また、えごま油やしそ油は加熱料理に向かないというのが通説ですが、これは理論上の話(いわゆる過酸化脂質説)であり、実際にはまったくの根拠がないのです。それどころか、どんな実験においてもオメガ3の酸化や加熱による被害報告はないのです。低温圧搾のものなら、200度までの炒めものであれば、αリノレン酸などが破壊されることはありません。
そもそもオメガ3をはじめとした過酸化脂質説はハーマン博士による実験(1956,1976)が根拠となっていましたが、今ではこの実験における解釈や評価に不具合が見つかっており、この説は崩壊しています。近年では、過酸化脂質を含んだエサをラットに与え続けた実験でも、逆にがん細胞が減ったという結果があります。
最近ではポリフェノールをはじめとした天然のフィトケミカルなどが抗酸化物質とあげられていますが、こちらこそあまり根拠がなく、むしろさまざまな副作用が懸念されます。
真の抗酸化作用はオメガ3油とビタミンにあります。ぜひ積極的にオメガ3系の油をとっていってほしいものです。




【だし文化】
日本特有の食文化といえば、発酵食品がすぐに浮かびます。味噌、醤油、酢、麹、糀、みりん、納豆、ぬか漬けなど、これらはあらゆる面で日本人の健康を保ってきたのではないでしょうか。
ここで、この主役級の発酵食品料理を支えてきた名脇役を忘れてはいけません。いわゆる「だし」です。だしといえば、昆布、いりこなどの煮干し、かつお節、干し椎茸があり、これらはすべて乾燥の食材になります。
乾燥させると水分が取り除かれ、その食材のうま味が凝縮されます。これを汁の中で煮出すと、そのうま味成分が溶け出し、野菜をはじめとした具素材の味をしっかりと引き出すという不思議な現象を引き起こします。
昆布のグルタミン酸、いりこやかつお節のイノシン酸、椎茸のグアニル酸がうま味のもとだといわれています。最近では、ごぼうだけでだしをとる家庭もあります。これはごぼうのアルギニンやアスパラギン酸がうま味のもとのようです。
だしが古典の中で登場するのは3世紀ぐらいに上ります。庶民にはまだ行き届かず、朝廷の中で使用されてきました。昆布だしは鎌倉時代から、いりこやかつお節は江戸時代から、庶民にも広く普及し始めたといわれています。こう考えると一般的には高価で珍しい食材だったのでしょう。
日本だけではなく、欧米やアジアなどの世界においても、だしが引き出す料理は確かに存在します。肉や野菜そして香草を長時間煮込んでできたブイヨンなどが代表的な例です。ところが、それは日本のようにだし文化そのものではなく、結果論としてだしとしてあてはめられた料理にすぎないかもしれません。
それは、海外では近年までなかった概念である「うま味」という味覚成分にいえます。甘味、酸味、塩味、苦味が基本でしたが、現在ではうま味は科学的に立証された5番目の味覚として注目されていることは言うまでもありません。また、海外の場合、長時間煮込んでだしをとりだす一方、和食の場合、乾燥されており既にうま味が凝縮されていますので短時間で溶け出しやすいことも特徴の一つです。(とことん味にこだわりたい場合は、徹底した温度管理とやはり長時間の煮出しが必要です)
だし文化は実はうま味だけではありません。健康面でいえば、もっと重要なものがあります。それはビタミン・ミネラルが豊富であるということです。
鉄分もカルシウムもマグネシウム亜鉛も、これらの含有量は、乾燥だし食材は必ずと言っていいほど上位にあがります。また、煮干しには現代人が不足しがちなビタミンB12ビタミンDが多く含まれていることも注目すべきです。次第にこのだし文化は各地で派生しそれぞれの郷土料理を生むことになります。
現在ではさまざまな乾燥だし素材が店頭に並べてあります。せっかく食べるなら、素材にこだわったものや、伝統製法に近い形で作られた食材を選ぶのもよいでしょう。だし文化は後生に残したい、そして毎日食べたい日本食文化の素材のひとつです。