イタリアのパンと ワインと

西アジアで生まれ、古代エジプト人によって現在のような発酵パンに発展したパンはその後、ギリシャ古代ローマへと渡り、グルメな古代ローマ人によって更なる発展を遂げるのです。そして紀元200年頃にはローマ市内に世界初のパン屋が誕生。このようにイタリアにおけるパンの歴史はとても古いものなのです。

イタリアのパンは地方によって作り方や味、形などがまったく違い、そのため種類がとても多いのが特徴です。(3000〜4000種といわれています)これは、南北で採れる小麦の質が違う事、古くから都市国家が栄えていたので独自の食文化が発達し、さらにイタリアの特徴的な地形によりその食文化が交流する機会がなかったこと、などが理由といわれています。


食事のパンは、皮のかたい、塩味のあっさりした白パン、菓子パンはバターや鶏卵をたっぷり使った、しっとりしたものというのがイタリアパンの特徴です。
食事用の代表格はミケッタまたはロゼッタと呼ばれるパンです。表面に星型の切れ目をつけられたこのパンは、中は空洞、つまりパリッとした皮だけといってもよいようなパンです。

もう一つは、スパゲッティやマカロニなどのパスタ料理と一緒に食べる、細長いスティック状のグリッシーニ。塩味だけの香ばしいこのパンは、最近日本でもよく見かけられるようになっています。
ピッツァもれっきとしたパンの仲間です。

醗酵させたプレーンなパン生地にソースを塗って、いろいろな具とチーズをのせて焼きますから、いわばおかずパンといってもよいでしょう。
菓子パンの代表はパネトーネです。レーズン等ドライフルーツの入った半球形のパンは北イタリアの名物パンで、コモ湖近くの野生の酵母を使うのが特徴です。

パネトーネとその兄弟ともいえるようなパンドーロ(黄金のパン)はクリスマスの為のパン。コロンボ(鳩)は復活祭には欠かせないパンです。


イタリアのパンは、250種類?という説も。
たとえば硬質小麦(タンパク質の含有量が高いデュラム・セモリナ)がたくさんとれる 南イタリアのプーリアでは、アルタ・ムーラといって硬質小麦100%の歯ごたえのあるパンが伝統的だったり、お米の大生産地であるロンバルディア地方 では、米粉を混ぜたパンが焼かれていたり。

これらを粉の配合の違いや大きさの違いなどに細かく分けたら、1000種類にも及ぶそう。

イタリアのぶどう品種が、多いのと、パンの種類が多いこと。
きっと同じなんだろうなぁ。